一般的に警戒心が強いと言われているイノシシですが、近年では市街地に出没し、自動車との衝突事故が多発しています。
運転経験を持つ方なら一度は見たことがあると思いますが、山間部に多く見られる「動物注意」の標識。たまにしか見る機会がないからでしょうか、黄色い背景に動物の絵がかかれた標識は目を引くものがあります。
山間部で多発する、動物の飛び出し。山間部を通行する際には万が一に備えて、スピードの出し過ぎに十分注意し、運転することが大事ですね。また、近年では奥深い山中以外でもイノシシとの衝突事故が発生し「まさかこんな場所にイノシシが出てくるとは…」と、運転手も驚きを隠せない様子だったとか。
また、イノシシの出没には様々な誘引条件が複合的に重なり発生しているようです。
(1)手入れの行き届いていない道路や河川の草地や藪は、イノシシの移動ルートや餌場となる場合があります。また放置している場所は人の気配がないことで、イノシシの警戒心が弱まり、出没を促します。このような場所はイノシシが道路上を横断、徘徊するので車両と衝突する危険性が高まります。
(2)狩猟や有害捕獲などの際、犬や人による追い出しを行うと、パニックで興奮したイノシシは 1 日で数キロ移動する場合があり、市街地に出没することがあります。
(3)廃棄作物、放置作物、生ごみ、ドッグフード、墓地のお供え物、市街地内のクリや堅果類、カキの木などは、意図しなくても結果的にイノシシに対する餌付けとなり、イノシシを市街地へ誘引することになります。また、箱罠や囲い罠の不適切な運用も強度の餌付けになる可能性があります。餌付けが継続された場合、人身事故が発生する危険性が高くなるだけでなく、最終的には人間が食物の供給源であると認識されてイノシシが積極的に人間に接近するようになり、事故の防止が困難になると言えます。